yumikonoaroma’s diary

ライター。アロマテラピーアドバイザー、ハーバルセラピスト。日常で感じるハーブやアロマテラピー、たまにヨガについて♡

ハーブ専門書 ワイル博士のメディカルハーブ相談室

前から気になっていたハーブの本、

『ワイル博士のメディカルハーブ相談室』

東京堂出版 

著者  アンドルー ワイル

監訳 解説  林 真一郎

翻訳  榊原 有一


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おもしろいので、一気に読んでしまいました。


メディカルハーブ検定を持っている段階で、今回紹介されたハーブについて全ては把握するのは難しいです。しかし、じぶんが知っているハーブでの有能性や効能の真偽については、ワイル博士と、林さんの解説で、現代の科学的検証と、博士自身の体験から、正直に語っているところが愉快です。

ためになるし、ハーブにしても、西洋医学にしても、科学的根拠よりも、基本的な知識と実体験が何よりも大切だと思わされます。


植物療法において、まだまだ研究段階だったり、某大学での論文が、実は実験自体が十分な実証がなされないまま、結論を出されていることも懸念されています。


それを踏まえて、一番印象的だった項目は、

エキナセアの効能は、現在どのように評価されているのか」です。

標題は、

エキナセアについては、効果を巡ってさまざまな議論がされているが、実際に効能はあるのかどうか“

ということ。


博士によると、エキナセアは、風邪の羅患率を56%低下させ、羅患期間を1.4日短縮。通常は年2〜4回の風邪が、エキナセアを服用している人は年に1〜2回にとどまるとのこと。

一方で、アメリカのコネチカット大学やハートフォード大学では、ライノウィルス(代表的な風邪のウィルスのひとつ)では、あまり効果が出なかった、という報告があるようです。


一般的にエキナセアの研究の多くは、ドイツでその有能性が証明されているようです。上記の米大学での研究に使用されたエキナセアは、有効量に適していないと博士は憂いていますが、エキナセアについては、まだまだ、幅広い種のエキナセアを集め、クオリティの高い研究が必要だ、とのこと。


はてさて、これについて、エキナセアを風邪の有能性を信じて使っていらっしゃる方は、どう思うのでしょうか?


私も、一般的に風邪を引いたかな、と思う時は、ローズヒップなどと合わせて使う時があります。

ハーブなので、風邪薬のような即効性はありませんが、症状の辛さを少し和らげてくれます。

ハーブの香りや温かさ、味も、風邪で緊張した心身を包み込んでくれます。


効能については、全ての風邪に効く、というわけでもない気がします。現に、鼻水などカタル症状があるときは、粘液質の高いウスベニアオイやリンデンも良いし、咳が出るときはセージ、痰が絡む時はタイムなど、その時々に組み合わせていくことで、それぞれの良さが発揮されます。

普通に風邪っぽい(微熱やだるさ、疲れなど)の時は、私はエキナセアが好きですが、

とにかく不調時は、エキナセアが好き! という方もいるかもしれません。


この本を読んで感心したのは、統合医療の権威であるワイル博士が、すごく高い視点から、植物療法は絶対だ、とは語らないこと。

あくまで、個人の体験や研究、友人研究者の見解、大学での報告などさまざな視点から、冷静に、博士のウェブサイトに寄せられた質問に答えています。


普段、病院に行っても、あなたはこの薬なら合いそうですね、お医者様からありますよね(私は過去に喘息あったり、今もアレルギー体質なので、お薬を飲む時の“相性“を感じます)

要はそれと一緒で、ハーブでも体質に合わなかったとか、好みとかで、効能は変わってくると思います。


私も、そしてメディカルハーブやアロマを探求する方も、

植物療法が全てではないし、

かといって、

西洋医学が全てだとも思っていないはずです。


だから、⚪️⚪️は絶対効く! とか、これは合わない!  など決めつけずに、自分に合った治療法を選択していく権利があるんじゃないかと、

考えた次第です。


ワイル博士の本はそれ以外の項目にも、面白かったり、疑問を抱いたりしましたが、それを夫と論議したり、本当の安全ってなんだろう...

とも考えます。


いろいろ語ると長く長くなるので、ここまで(*^_^*)


ハーブについて深く知りたい方にはなかなか面白い本だと思います。